華やかな香りと鮮やかな黄色を持つ花〜クチナシ
フラワーヒーリングセラピストの希依です。
先日クチナシとナンテンをいただいてきたのですが、
鉢に植えている動画が取れていなくて2〜3日凹みました。
ナンテンは何度かご紹介をしているので、今日はクチナシについてお話ししますね。
クチナシはアカネ科の常緑低木で、海外ではガーデニアと呼ばれています。
ガーデニアというのは学術名でGardenia jasminoidesと言います。
クチナシといえば香りの良い白いお花が知られています。
学名のjasminoidesは、ジャスミンににた強い香りという意味なんですよ。
ジンチョウゲ、キンモクセイと並んで、日本の三大芳香樹とされています。
原産国はアジア。静岡より西、台湾やインドシナ辺りが原産地のようです。
そこから西洋に渡り、香りの素晴らしさから香水の原料にも使われました。
ただ精油は多くは採油できないようです。
なので、合成の香りも多く出回っています。
その果実は山梔子(サンシシ)と言われ、日本薬局方に登録された生薬のひとつです。
消炎、利尿、止血、鎮静などに使われていますが、単独で使用することはないそうです。
和名のクチナシは諸説あるのですが、
果実が熟しても裂けて口が開かないことからクチナシというのが最有力。
『山吹の 花色衣 主や誰 問へど答へず くちなしにして』
秋が過ぎ、冬が来ても一向に口を開けない
(古今和歌集)
という和歌が根拠だとか。
この時の色は白ではなく、実から染められた黄色のことだそうですよ。
『耳なしの 山のくちなし えてしがな 思ひの色の 下染めにせむ』
耳成山のクチナシの実が欲しいものです。私の想いを下染めにしておきたいから
(古今和歌集)
この下染めというのは先に染めておくことで、
本染の発色をよくする効果がある染色の技法です。
耳成山(みみなしやま)というのは大和三山のひとつで、
奈良県橿原市にあり、クチナシの花が市政花になっています。
奈良にある古墳から出土した繊維からもクチナシの色素成分が検出されており、
古墳時代からクチナシを染色に使ってきたようです。
平安時代には十二単にも使われています。
現在では無害の天然色素として、
お正月の栗きんとんやサツマイモやクリなどの和菓子、タクアンなども色付けに使われます。
もちろん繊維を染める染料としても使われます。
橿原市では万葉の頃から愛されてきた花なのですね。
今回いただいてきた苗はかなり小さいものですから、
花が咲くまでには3〜4年かかりそうです。
大事に育てていきたいと思います。
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