栄西はなぜクワをお勧めにしたのか〜喫茶養生記
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フラワーヒーリングセラピストの希依です。
植物民俗学(和ハーブフォークロア)に伴って購入した書籍をお勧めします。
桑茶を勧める『喫茶養生記』
臨済宗の開祖、栄西の書いた喫茶養生記。
鎌倉時代に書かれたお茶と桑茶を勧める本です。
現在は訳本が出ています。
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クワといえばおかいこさんですよね。
おかいこさんのまゆから生糸が生まれ、シルク製品が出来上がります。
明治時代には横浜港からの輸出の40〜70%が生糸とシルク製品だったのだとか。
それで日本は外貨獲得をして発展したのですね。
一時は中国を抜いて世界一の輸出国でした。
イチオシ桑の使い方、当時はこんな感じで使ってた
この喫茶養生記は
チャノキよりもクワ押しの本で、
桑粥、桑茶、桑入りお酒、桑の葉茶、枕、楊枝、
桑の実で作るお酒と飲む丸薬などの効能とレシピが書かれており、
不思議なものも多かったです。
面白かったのは枕。
桑の木で枕を作ってそれで寝ると、
目が良くなる、頭痛がやむなどの効果があるのだとか。
その枕、欲しい…笑
桑の実の丸薬。
桑の実を乾燥させてはちみつと練り、
2〜3センチに丸め、酒と一緒に40個ほど飲む。
え?2〜3センチに丸めたもの40個?笑
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養蚕で柔らかい葉はおかいこさんのものだったので、
利用は枝や根っこなどが中心のようでしたが、
植物を無駄にせず生活していたのが伺えます。
鎌倉時代はこんな時代
栄西がこの本を書いた時は鎌倉時代で、武士の世の中になっていました。
質素を旨とする武士は絹の着物を着なかったそうで、当時の生糸の生産は大きく落ち込んだでしょう。
その落ち込みは江戸時代上旬まで続きました。
そのころは中国から大量の生糸を輸入していたそうです。
なぜチャノキではなくクワ押しなのか?
栄西は茶湯が盛んな宋へ二度も渡航し、
茶湯を紹介してもおかしくないはずなのですが、
なぜクワだったのかは
当時の養蚕をする人たちの救済の意味もあったのかもしれません。
栄西(臨済宗)は鎌倉幕府に保護されたということですから、
幕府側からの要請があって書いたのかもしれませんね。
なんていっても鎌倉のお寺には臨済宗のお寺がとにかく多いですから。
当時の社会情勢を考えれば、栄西がクワを押した理由もなんとなく推察できて、
民俗学のテーマとしては面白かったなと。
京都の建仁寺では毎年マルベリーフェスティバルなるものが行われ、
桑の話をお寺の方が講話されるそうですが、
マルベリーというのはまさにクワのことで、桑尽くしになるのだとか。
気になります。
今年は機会があれば訪ねてみたいですね。
京都の建仁寺も栄西の建立した臨済宗のお寺です。
2冊目は…明日にします。
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